リレーエッセイNo.26 「『学びの多様化学校』―不登校児童生徒に対する支援― 山口豊一先生」

日本子ども健康科学会事務局でございます。
平素より、当学会の活動に格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
さて、リレーエッセイ第26回は、聖徳大学 心理・福祉学部長/教授 山口豊一先生にご執筆いただきました。

 児童生徒を取り巻く問題状況は日々複雑化・多様化しています。

 文部科学省の令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(2025)によると、不登校児童生徒数はおよそ35万人となっていて増加傾向にあります。

 そのような中で文部科学省より2023年に「COCOLOプラン:誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」が発信されました。不登校対策として「学びの場の確保・学びたいときに学べる環境」「小さなSOSを見逃さず、チーム学校で支援」「学校の風土の見える化、みんなが安心して学べる場所」の確保に向けて取り組みがなされているところです。

 その中でも学びの場の確保として、学びの多様化学校(不登校特例校)と呼ばれる新しいタイプの学校が2025年11月時点で全国に58校設置されていて、注目されています。

 学びの多様化学校とは、不登校の児童生徒が、中学校卒業後の進路選択や社会的自立に向けた学習を行うための学び場で、進学や学習意欲はあるが登校することができない、または教室に入れないといった子どもたちの新たな選択肢となっています。

 通う児童生徒の声として「自分を変えられた」「わかり合える友達に出会えた」「学校に行くのが楽しい」「学習の中で自分の成長を感じられる」などの声が挙がっており、また児童生徒の保護者の声としては「子どもの変化に驚かされた」「子どもだけでなく家族も変わっていく」「学校の在り方に大きな魅力を感じる」などの声が挙がっています(文部科学省,2024)。

 こども家庭庁の調査(2023)では「安心できる場所(居場所)」の数の多さと、「自己肯定感の高さ」、「今の幸福感の高さ」、「将来への希望」がそれぞれ相関関係にあることがわかっています。思春期という多感な時期に安心できる場所が複数あることはとても大切なことだと言えます。「学びの多様化学校」もその一つになり得るのではないかと思います。

聖徳大学 心理・福祉学部長/教授 山口 豊一

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